令和4年6月1日(水)より
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プロローグ

― Prologue 

~映画制作への思い~

【忘れ去られようとしている北朝鮮拉致被害者】

 
「北朝鮮拉致被害者ってまだ帰って来てないの?」
「もう無理じゃないの。」
 ご存知の様に5人の拉致被害者が帰国してからもう18年の歳月が流れましたが、その後、一人の被害者も取り返すことが出来ていません。横田めぐみさんは拉致をされて今年で43年です。我々は全国の同志と今までに全国各地の活動で既に1300万筆を超える署名を頂いています。拉致被害者救出の為の署名は名前のみでなく住所まで書いて頂く必要があるものです。それでも被害者を取り返すことが出来ない。アメリカ始め諸外国との関係頼りで、被害者を取り返すことは難しいと皆が思い始めています。 
 

【原案は政府拉致対策演劇、そして何故映画なのか】

 
そんな中、年から舞台劇「めぐみへの誓いー奪還―」(脚本・演出野伏翔)が全国各地で上演が行われました。この舞台劇は2010年から二度に亘る劇団夜想会の自主公演として発足。2014年から現在から内閣府拉致対策本部の主催公演となり入場無料で全国各地で公演を行っています。(全国36か所で公演。) お演劇の内容は、横田めぐみさんや田口八重子さんの北朝鮮での生活を中心に描き、過酷な独裁体制の中で常に権力の監視下に置かれ、恐怖とギリギリの背中合わせに生きながら、日本からの救出を今か今かと待ちわびる拉致被害者たちの現実と、そのご家族の愛の闘いを描いています。拉致被害者奪還に演劇?と思うかも知れません。が、現実は違います。講演や集会では伝わらない思いが駅劇では伝わります。家族が可哀そうとか、そんな酷いことがとか感じるのではなく、北朝鮮で戦い我々の助けを待っている被害者の方々に思いが馳せます。集会には来ない方々が劇場には足を運びます。「この演劇を映画化することでもっと多くの方々の心を動かせば、何かが変わるかも知れない。」それが我々製作委員会メンバーの思いです。
 

【何故民間でお金を集めてつくるのか】

 
 日本では、国のお金で作った映画は一般映画館では公開できません。民間資金で映画化することで、様々な劇場で上映可能になります。そして多くの方々からの善意と決意の支援そのものが大きなメッセージになるんです。
 一人でも多くの方々の支援者のお名前をエンドロールで流すこと。このことも大切な目的の一つです。
 

【拉致被害者は800人以上】

 
 政府認定の拉致被害者は17名(政府拉致対策本部HP)ですが、日本の警察が「北朝鮮に拉致された可能性がある」と公表している数は約882名(2019年6月18日現在。警察庁HPで公表されてます)です。こんなにひどく残酷な事件にも関わらず十分な報道がなされていないのが現状です。
 あの衝撃的な拉致被害者5人が帰国し飛行機のタラップを降りてくる映像も今の子供たちは知りません。20歳の成人でも当時はまだ3歳で記憶すらありません。署名等の街頭活動をしていても年々、その反応は薄れて来ています。
 署名や街頭活動で本当に被害者を取り返せるのか?でも何もせずこのまま拉致被害者たちを見殺しにする訳には行かない!歯がゆい思いで活動していたそんな中、演劇の持つ力に気が付きました。政府も同じ思いだったのだと思います。
 でも残念なことに、演劇という手段では見て頂ける人の数に限りがあります。これまでに全国36か所で上演しましたが、観客の総数は4万に達していません。
「北朝鮮から拉致被害者全員を取り返えす!」為にはもっともっと多くの方々の心を動かす必要があり、それが映画でした。
 

【日本では今まで誰も映画を作らなかった】

 
 日本人の手でこの拉致問題を扱った国内向けのテレビドラマは何本かは製作されていますが、世界各国で上映される事が可能な「映画」というものは一本も存在しません。13歳の少女、横田めぐみさんが拉致されて今年で43年です。
 この世界的に見ても深刻な人権問題であり国家犯罪であるにも関わらず。同じ北朝鮮により自国民を殺されたアメリカはすぐに映画化として国際世論に訴えている重大な出来事を、今の日本映画界では、たった一本も製作できない。いや、しない。それが現状です。 であれば多くの方々と一緒に自分たちで作ろう!との思いです。
 
「見殺しにはしない。出来ることは何でもやる!」
 
北朝鮮による拉致問題は現在進行形の誘拐監禁事件です。
被害者の方々は今現在も必死に戦い耐えながら我々の助けを待っています。その現実から目を背けてはならないと思います。
 
東日本大震災の時、私は秋田にいました。一日半後に停電が復旧しテレビで見た被災地の映像は衝撃的でした。入ってくる情報に耳を疑いました。秋田は幸い直接被害はありませんでしたが、まともに生活できる環境にはなく全く先の見えない状況でした。被災地のことを考えると、秋田になんか誰も構っていられない。物資もお金もそのうち無くなる、陸の孤島になる。そんな空気でした。
 
でも、それでも、多くの人々が水や食料、衣服、ガソリンまで持って被災地に向かいました。現地に行けない人は寄付をしたり節電をしたり「被災地被災者の為に、今、自分に何が出来るか」を必死に考え行動していました。恐らく全国民がそうであったと思います。
 
私は北朝鮮による拉致に対して、皆があの時の気持ちを少しでも持てば、被災地より酷い状況下で何十年も耐えて戦っている被害者のことをもっと身近に感じられれば、拉致被害者を助け出すことが出来ると思います。
全世界の少しでも多くの方々の魂に共感の輪拡げたい。その為の映画です。
 
「自分は、赤の他人のために命を懸けるほど立派な人間じゃないが、目の前で助けを求める人を、見て見ぬふりするほど、まだ腐っちゃいない。これは、まぎれもなく、暴力を持たぬ我らの『北朝鮮拉致被害者奪還作戦』だ!」
 これは製作委員会メンバーの言葉ですが、皆、同じ思いです。
 
横田ご夫妻も他の家族の方々も普通の方々です。本来であれば、日本銀行を退職して悠々自適に孫とゆっくりとした時間を過ごしてた普通のお爺さんお婆さんだった筈です。私たちと変わらない普通の日本人なんです。出来る事ならほんの少しでもそんな時間を取り戻して欲しい。
 
この呼びかけに同じ思いの方々が支援参加してくれて、映画が完成しました。
でも、これからスタートです。唯一の目的は拉致被害者の奪還です。被害者の方々は今も日本を信じて北朝鮮で戦っています。我々の助けを待っています。
「絶対に見殺しにしない。何が何でも助け出す!」この一念で進める所存です。